「台風はどこで生まれて、どうやって日本まで来るの?」という素朴な疑問を、専門用語をおさえてやさしく解説します。発生する海の場所、発生の条件、季節による違い、そして台風の通り道(経路)が何で決まるのかまでまとめました。
台風の多くは、日本の南〜南西にあたる暖かい海で生まれます。代表的な発生海域は次のとおりです。
緯度でいうと北緯およそ5〜25度の熱帯・亜熱帯の海域です。ここで生まれた渦が発達し、中心付近の最大風速がおよそ17m/s(風力8)以上になったものを「台風」と呼びます。
台風は、次の条件がそろった海で生まれます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 暖かい海 | 海面水温がおおむね26〜27℃以上。海から供給される水蒸気が台風のエネルギー源になる。 |
| 強い上昇気流 | 湿った空気が集まって上昇し、積乱雲がまとまって発達する。 |
| 地球の自転の力 | コリオリの力が働いて空気が渦を巻く。赤道直下(緯度0度付近)ではこの力がほぼ効かず、台風は発生しない。 |
| 上空の風の乱れが小さい | 高さによる風向・風速の差(鉛直シア)が小さいと、渦がくずれず発達しやすい。 |
夏から秋にかけて日本の南の海の水温が上がるため、台風は7〜10月に多く発生します。冬でも海の暖かい低緯度で発生することはあります。
同じ「日本の南の海」でも、発生する位置は季節で少しずつ動きます。
| 時期 | 主な発生海域と傾向 |
|---|---|
| 冬〜春(1〜4月) | より低緯度(南)で発生。太平洋高気圧が弱く、日本へ北上せず西へ進んでフィリピン方面へ向かうことが多い。 |
| 初夏(5〜6月) | 発生数はまだ少ない。発生位置がやや北へ。 |
| 盛夏〜秋(7〜10月) | 発生海域が北へ広がり、発生数も最多。太平洋高気圧のふちを回って日本へ接近・上陸しやすい。 |
| 晩秋(11〜12月) | 再び低緯度中心に。日本には近づきにくいが、南西諸島に影響することはある。 |
台風は自分で進む力が弱く、周りの風に流されて動きます。日本に来る台風の経路は、主に次の2つで決まります。
夏〜秋の日本の南東には太平洋高気圧が居座っています。台風はその高気圧のふちに沿って、時計回りに流されます。だから多くの台風は「西へ進む → だんだん北上 → 日本付近で北東へ」というカーブを描きます。
日本付近まで北上すると、今度は上空を流れる強い西風(偏西風)に乗ります。ここで進路を北東へ大きく変え、スピードが一気に上がります。これを「転向」といいます。転向のあとは半日で数百km進むこともあり、接近から通過までがとても速くなります。
日本は、台風の主な発生海域である「フィリピン東方海上」のちょうど北東側にあります。台風が太平洋高気圧のふちを回って北上し、偏西風で北東へ転向する——その延長線上に日本列島が位置しているため、進路にあたりやすいのです。年間でおよそ25個前後の台風が発生し、そのうち平均で3個前後が日本に上陸します。
「今どこで発生した?」「どんな経路をたどっている?」を知りたいときは、地図で位置と進路を見るのがいちばんです。
🗺 全国マップで台風の経路と進路を見る →※出典:気象庁の資料等をもとに一般向けに編集。最新・正確な台風情報と避難の判断は気象庁・自治体の発表に従ってください。
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