高潮とは
高潮は、台風や発達した低気圧によって、海面が通常の潮位より大きく高くなる現象です。潮位が上がった海水が堤防を越えたり、河川を逆流したりして、市街地の浸水につながります。
なぜ海面が高くなるのか
主な原因は2つあります。
- 吸い上げ効果:台風の中心は気圧が低く、周りの空気が海面を押す力が弱まるため、海面が持ち上がります。目安として、気圧が1hPa下がると海面は約1cm上昇します。
- 吹き寄せ効果:台風の強い風が海水を海岸へ吹き寄せ、湾の奥で海面が高くなります。南に開いた湾では、台風が湾の西側を通るときに風が湾奥へ向かいやすく、影響が大きくなります。
たとえば中心気圧900hPaの猛烈な台風なら、平常時の約1010hPaとの差は約110hPaで、吸い上げだけで1m前後の上昇が見込まれます。ただしこれは目安で、実際の潮位は吹き寄せや地形で大きく変わります。
満潮と重なると危険が増す
高潮は、もともとの潮位(天文潮位)の上に上乗せされます。そのため、台風の接近が満潮の時間帯と重なると、海面は最も高くなります。とくに大潮の時期は満潮の潮位が高く、注意が必要です。潮位は気象庁の潮位情報で確認できます。
過去の事例
- 1959年 伊勢湾台風:高潮で名古屋市などの沿岸が広く浸水し、死者・行方不明者は5,000人を超えました。
- 2018年 台風21号:大阪湾で、気象庁の大阪検潮所が観測史上最高の潮位(329cm)を記録しました。関西空港も浸水しています。
高潮の警報と警戒レベル
気象庁は、高潮による重大な災害のおそれがあるときに高潮警報、さらに危険が高まると高潮特別警報を発表します。意味は警報・注意報・特別警報のちがい、避難の段階は警戒レベル1〜5と避難を参照してください。
避難のタイミング
- 高潮は風が強まる前から水位が上がります。暴風が吹き始めてからの移動は危険なので、暴風域に入る前に避難を終えてください。
- 沿岸部・海抜の低い地域・河口近くにお住まいの方は、ハザードマップで高潮浸水想定区域かどうかを事前に確認しておきます。
- 浸水のおそれがあるときは、自治体の避難情報に従います。移動が危険な場合は、建物の2階以上など、できるだけ高い場所へ移ります。
高潮に備える行動
- 台風の接近時刻と満潮の時刻を、あらかじめ確認しておく。
- 海沿いや河川沿いの駐車場・地下の車や荷物を、高い場所へ移す。
- 非常用の持ち出し袋と、停電への備えを整える。
- 海岸や河口、堤防には近づかない。
強風の目安は台風の風速と被害の目安、台風の強さの区分は台風の大きさと強さの階級をご覧ください。
よくある質問
高潮と津波は何がちがいますか?
高潮は台風などの気圧低下と強風で海面が高くなる現象で、台風の接近に合わせて予測できます。津波は海底の地震などで起きる波で、原因が異なります。
高潮はいつ危険になりますか?
台風が最も接近する時間帯と、満潮の時間帯が重なるときです。風が強まる前から潮位が上がり始めるため、暴風が始まる前に避難を終えてください。
高潮警報が出たらどうすればよいですか?
自治体の避難情報を確認し、沿岸や低地にいる場合は早めに高い場所へ移動します。海岸や河口、堤防には近づかないでください。
自宅が高潮の浸水想定区域か調べるには?
自治体が公表しているハザードマップや、国土交通省の「重ねるハザードマップ」で確認できます。
数値は気象庁などの公表資料に基づく目安です。最新の警報・避難情報は気象庁と自治体の発表を確認してください。